2007 Fiscal Year Annual Research Report
脂質二分子膜カプセルの電気崩壊性を利用した電子回路中へのバイオセンサ素子の配列化
Project/Area Number |
19560351
|
Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
礒田 隆聡 The University of Kitakyushu, 国際環境工学部, 講師 (70284544)
|
Keywords | センサ / バイオセンサ / 化学センサ / 電極 / MEMS / 電子回路 / 抗原 / 抗体 |
Research Abstract |
生物は巧みに生体物質を自己組織化し、目、舌、鼻等の表皮に感覚細胞群を構築している。センサ素子の高度・高機能化には、このような生物の感覚器形成の機構を模倣する必要がある。本研究では、電気回路内に種々のバイオセンサ素子を高密度に配列化するための新方法の確立を行う。そのため以下の2点を研究目的としている。 (1)電気回路内に機能性分子を任意の位置に配列させる。 (2)機能性分子の配列はデバイス上にて電気的制御で実現する。 初年度はセンサ素子の高度配列化のための前段階として、電気信号検出確認の評価を実施した。 (1)Au(1μm)/Cr(0.1μm)/ガラス基板上にフォトリソグラフィー法にてMEMSセンサ回路を構築した。センサ配列と信号の最適化を図るため、10μm〜3mm間隔の電極対(ソース/ドレイン)で、5〜10mm四方に5〜25対集積化した。電極部分に絶縁体の膜を積層させ表面に液滴を滴下すると、絶縁膜/液滴界面に電気的偏り(分極)が生じ、ゲート電極の機能を果すこと、及び液滴中の濃度に応じて電圧値が変化する現象を確認した。信号処理回路との兼ね合いで以降センサ数を5とし、各種認識物質をそれぞれ配列化するための基板設計が終了した。 (2)上記センサのための信号処理回路基板を新たに試作し、応答感度とノイズ除去が可能となった。これによって、微小な信号変化を精度よく計測するための方法が確立できた。 (3)さらに特異的検出機能を付加させるため、絶縁膜表面に各種抗体を疎水性相互作用を利用して固定化した。溶液中の抗原濃度μg/ml〜pg/mlの範囲で検出可能であることが確認された。電気回路中に様々な特異的検出機能をもつバイオセンサ素子構築のための基本概念が確立できた。
|