2007 Fiscal Year Annual Research Report
統計的タイミング解析用次世代アルゴリズムとバラツキ考慮設計手法の確立に関する研究
Project/Area Number |
19560353
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
築山 修治 Chuo University, 理工学部, 教授 (90142314)
|
Keywords | 統計的タイミング解析 / 製造ばらつき / 集積回路設計 / 設計自動化 / アルゴリズム / 分布表現 |
Research Abstract |
本研究では,高性能システムLSIの耐ばらつき設計に不可欠となる統計的タイミング解析のための新しいアルゴリズムの構築を目的に,小型液晶ディスプレイ用駆動回路に対するばらつき考慮設計手法ならびに遅延と遷移時間のばらつきを2つ同時に伝搬させるタイミング解析手法について考察した.本年度は,以下に示す特筆すべき成果を得た. 前者の研究から,遷移時間のばらつきを単一の正規分布で表現することは現実的でないことが判明したため,これを混合正規分布(正規分布の確率重み付き和:Gaussian Mixture Model)で表現する手法を考案した.特に,回路が2入力論理ゲートから成る場合,出力がどちらかの入力によって決定されることが多いため,2つの正規分布から成る混合正規分布(2-GMM)で表現することにした,また,この表現法により遷移時間のばらつきが適切に表現されることを,モンテカルロシミュレーションと回路シミュレータを用いた実験により確認した。 後者に関して,遅延のばらっきを2-GMMで表現すると,正規分布を用いた統計的タイミング解析では正確に表現できなかった最大値あるいは最小値演算後の分布を遙かに正確に表せることが判明した.そこで,遷移時間と遅延のばらつきを共に2-GMMで表現することとし,これらのばらつきを同時に伝搬させるために必要な基本演算手法を考案した.この手法を単純な回路に適用し,モンテカルロシミュレーションと回路シミュレータによる結果と比較することにより,その有効性を検証した. なお,2つ以上の入力信号の同時遷移および入力遷移時間の分散が出力遷移時間および遅延に与える影響を解析することや,提案手法の大規模回路への適用などは,次年度の課題である.なお,同時遷移の影響を見積もる手法に関しては既に腹案を持っている.
|
Research Products
(12 results)