2009 Fiscal Year Annual Research Report
Er:Ti共ドープニオブ酸リチウム導波路型グリーンレーザの作製と評価
Project/Area Number |
19560358
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
高橋 誠 Chubu University, 工学部, 教授 (10236317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 紘一 中部大学, 工学部, 教授 (20301640)
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Keywords | ニオブ酸リチウム / 強誘電体 / ソルゲル法 / 希土類 / 光導波路 / レーザ |
Research Abstract |
本研究は、ゾルゲル法による各種希土類(Er,Euなど)・チタン共ドープニオブ酸リチウム光導波路型レーザの作製を目指し、(1)シングルモード光導波路作製技術の確立、(2)レーザ発振特性に大きな影響を与えるNb vacancy濃度およびアンチサイトNb濃度と希土類・Ti濃度との関係に付いて検討した。 (1)シングルモード光導波路作製技術の確立:光導波路の作製方法として(1)スクリーン印刷法、(2)インクジェット法、(3)フェムト秒レーザ加工の3種類の手法を用いて研究を行った。その結果、スクリーン印刷法およびインクジェット法では使用するゾル溶液の粘性が低いため幅広で壁面が波打つ試料しか作製できない。また、粘性を増加させるため、ゾル溶液中の前駆濃度および増粘材(PVAを使用)濃度の増加を検討した。前駆体濃度を0.1Mから0.3Mへ増加させても塗布液の広がりを抑制できなかった。また、前駆体濃度を0.5M以上にするとゾル溶液の粘性が急激に増加し、それに伴いゾル溶液の劣化が急速に進み、再現性のある成膜が困難となった。一方、増粘材としてのPVA濃度を0.5Mまで増加させると、粘度はPVA濃度に比例して増加した。しかし、PVA濃度0.5M以上では成膜した膜に多数の空孔が発生するようになり光導波路特性が急激に劣化した。(3)のフェムト秒レーザ法では、縦(膜厚)1.2μm、導波路幅10μm、長さ20mmの導波路を作製し、端面からの出射光を観測した所、光スポットを5個観測でき、本手法によりシングルモード光導波路を作製できる可能性が高いことが明らかとなった。 (2)Nb vacancy濃度およびアンチサイトNb濃度と希土類・Ti濃度との関係:1.5mo%Ti・Eu共ドープLiNbO3薄膜のPL発光強度とEuイオン濃度の関係などを詳細に測定した結果、Ti(IV)とEu(III)とのモル濃度比が3:1および3:2のとき電子トラップとして働くアンチサイトNbの濃度がゼロとなり、希土類からの発光強度が著しく増加することを、また、Nb vacancy濃度は希土類濃度には依存せずほぼ一定の値をとることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)