2007 Fiscal Year Annual Research Report
人工媒質中の電磁波伝送・漏洩特性解析に基づくミリ波回路素子の開発
Project/Area Number |
19560359
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
辻 幹男 Doshisha University, 工学部, 教授 (50148376)
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Keywords | 左手系媒質 / 漏洩波アンテナ / 右手系 / 左手系複合線路 / コプレーナストリップ線路 / 漏洩モード / マイクロストリップ線路 / 多層平面回路 / フィルタ |
Research Abstract |
本年度の実施計画の1つであるコプレーナストリップ線路に基づく左手系媒質の伝送・漏洩特性については、形状に依存して表面波漏洩および空間漏洩領域で左手系モードと右手系モードの結合の生じることを見出した。これは本研究の目的である漏洩波アンテナへの応用に関しては排除すべき特性であり、アンテナ特性の検討を進める上では結合の生じない形状を中心に検討を進めた。その際、アンテナについては低サイドローブ化を先ず目標として、位相定数を一定として漏洩定数を可変にできる構造パラメータについて詳細な検討を行った。その結果、人工媒質となる左手系の媒質特性を得るのに必要な直列インダクタンスを構成する高インピダンス線路の両側に溝を設けた構造が漏洩定数の制御に最適であることを見出した。この形状変化により位相定数もわずかに変化するが、これは周期構造の周期を少し補正することで解決した。これらの特性についてはスケールダウンしたマイクロ波帯にてアンテナを試作し、放射特性の測定を行うことで実験的にも検証した。一方、もう一つ実施計画である左手系不均質媒質構築については、その第一歩として平面回路線路に任意形状導体片や欠損が存在する場合の伝送・漏洩特性の解析が行える効率的な解析手段の開発を行った。開発プログラムのチェックとして、マイクロストリップ線路のグランド面に任意形状のスロットを設けたフィルタの設計を行い,その妥当性を数値計算結果とマイクロ波帯での測定結果との良い一致から検証した。次年度以降の研究はこれら本年度の成果をもとに進めていく。
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Research Products
(2 results)