2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560362
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
楠 正暢 Kinki University, 生物理工学部, 准教授 (20282238)
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Keywords | 超伝導 / ナノブリッジ / 単一磁束量子 / インターフェース |
Research Abstract |
昨年度は、SFQ-光変換デバイスとして、高温超伝導ナノブリッジをSFQ集積回路と同一チップ上に組み込むことを想定し、汎用性が高いレジストを用いたプロセスを用い、200nm幅のナノブリッジの作製と、その液体窒素温度における超伝導電流の観測に成功した。また、同様な方法で作製したナノブリッジにレーザーを照射し、その光応答の確認も行った。しかし、このプロセスは、歩留まりの点で十分なものではなかった。そこで、本年度はこれを解決するためにプロセス時の劣化がさらに生じにくい方法と構造を検討した。具体的には、犠牲層を用いたボトムアップ型のプロセスを試み、現在超伝導特性に最も影響を与えている、ナノブリッジの側壁部分の劣化を最小限に抑えることが可能な構造の検討を行った。ボトムアップ型プロセスの検討を行うに際し、超伝導成膜装置を立ち上げる必要があったため、既存の真空チャンバを改良してDCマグネトロンスパッタリング装置を作製し、YBa_2Cu_3O_y(YBCO)の成膜できる環境を整えた。つぎに、この成膜装置を用いて、液体窒素温度で超伝導転移するc面配向YBCO膜の作製条件を導出した。その後、同装置を用いて犠牲層が作製可能なことも実験的に確認し、これとYBCOの積層によりボトムアップ型ナノブリッジの基本構造の作製を行った。これのプロセスを発展させることにより、ボトムアップ型ナノブリッジが実現できることを示唆する結果が得られた。
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