2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560367
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
満保 雅浩 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (60251972)
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Keywords | 電子選挙 / 公開検証 / 暗号危殆化 |
Research Abstract |
電子投票は電子社会における重要な技術といえるが、現在も完全には解決仕切れていない課題(制約)が幾つも存在するため、本研究では、それらの制約を可能な限り取り除いた、高い信頼性を有する電子選挙システムを構築することに取り組んでいる。 投票者が自己の投票内容のみならず、全ての投票内容が正しく集計されていることを確認できる(全体検証を実施する)公開検証型電子投票が現在までに考案されているが、この既存の公開検証型電子投票の多くは、利用している暗号技術の危殆化に伴う、過去の投票内容の暴露の危険性を考慮し切れていない。このため、投票の実施された時点では、プライバシーが守られていても、攻撃アルゴリズムの進展などにより、利用されていた暗号が安全でなくなり、投票行動に係わるプライバシーが保てなくなる危険性が残ってしまう。このことは、逆に、投票行動に少なからぬ影響を与える恐れさえ秘めており、事前に、暗号危殆化について十分に配慮のなされた電子投票方式を構成する必要性を示唆している。 そこで本研究では、公開検証型電子投票を、暗号技術の危殆化による過去の投票内容の暴露の危険性という観点から考察した。そして、暗号の危殆化に対応した既存の公開検証型投票方式は、通信量の増加や保有データ量の増加などが起こるため、そのようなデメリットのない準同型性に基づく方式において、匿名マルチパーティ計算の手法を組み合わせることにより、暗号の危殆化にも対応した安全な公開検証型投票方式を構成できることを示した。
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Research Products
(1 results)