2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560367
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
満保 雅浩 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (60251972)
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Keywords | 電子選挙 / 投票 / 正当性検証 / 匿名性 / 選挙規模 |
Research Abstract |
民主主義的な手続きに基づく健全な電子社会を構築していくために、不正のない電子選挙システムは欠かすことができない技術といえ、現在必要とされる制約を可能な限り除去した、高い信頼性を有する電子選挙システムを構築することに取り組んでいる。 本年度は、投票内容が正しく処理されたことを確認・保障する仕組みと買収・脅迫への対策という電子選挙の信頼性向上技術について引き続き検討を行った。電子選挙には、投票を受け付ける投票機や投票データを集計する装置、投票データを保管管理する機器及び投票データが正しく処理されたことを検証可能とするログ管理装置が存在する。電子選挙のプロトコルは、これらの装置の信頼性について何らかの仮定をおいていることが多いため、電子選挙のシステム全体としての安全性を保証するためには、これらの装置が正しく動作しないことを想定して対策を立てることが求められる。そこで、投票者が投票内容に関する受領書を受け取ることを通して信頼性を高めようとするアプローチにおいて受領書が正当であることを簡易に確認することができる仕組みについて検討を行うと共に、ログ管理装置と買収・脅迫対策の仕組みについて検討を行った。また、選挙規模と選挙システムの関係を解明するために、大規模から小規模までの異なる規模を持つ組織向けの電子選挙を取り上げ、匿名性の侵害や不正カウントなどの不正が発生する可能性を考察し、準同型暗号、ミックスネット、ブラインド署名などの要素技術との関係を含めて、システムに求められる要件について検討を行った。
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