2007 Fiscal Year Annual Research Report
反辞書確率モデルを用いた同期誤り耐性をもつ適応情報源符号化方式の開発
Project/Area Number |
19560370
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
森田 啓義 The University of Electro-Communications, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (80166420)
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Keywords | データ圧縮 / 反辞書 / 極小標止系列 / 接尾辞木生成算法 |
Research Abstract |
今年度は,次の二つの研究課題に取り組んだ. 1.反辞書の生成法の確立 2.接尾辞木上で表現された反辞書を用いた適応型算術符号の開発 反辞書生成に関しては,従来から知られている,Ukkonenによる接尾辞木生成算法に基づいて,反辞書木生成のための算法を与えた.この算法は, ・情報記号列から長さに比例した時間・メモリ量で反辞書木を生成できる. ・情報記号列を先頭からシンボルを読みつつ、反辞書木を動的に更新する.という特色をもつ.これらの結果は論文にまとめ公表された. 提案した算法では,反辞書を更新していく過程で,探索する節点への訪問頻度を情報記号の出現確率のモデルとして利用することができる.そこで,従来法のように情報記号列全体から確率モデルを作成して再度符号化を行う2パス方式ではなく,反辞書を動的に生成しつつ,それまでに得た頻度情報を基に確率モデルを構成する1パス方式を考案し,プログラムへの実装が完了した段階である.最終的には,従来の反辞書符号化法で必要とされた反辞書生成,符号器への変換という操作をすべて省き,反辞書の情報をすべて接尾辞木上で表現した符号化法として完成される予定である. 実装したプログラムでは,2値アルファベットだけでなく直接,多値アルファベットのデータに適用することができ,適応算術符号器・復号器と組み合わせることにより,従来法を凌駕する性能が期待される.
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