2008 Fiscal Year Annual Research Report
反辞書確率モデルを用いた同期誤り耐性をもつ適応情報源符号化方式の開発
Project/Area Number |
19560370
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
森田 啓義 The University of Electro-Communications, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (80166420)
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Keywords | データ圧縮 / 反辞書 / 極小禁止系列 / 接尾辞木生成算法 |
Research Abstract |
今年度は,主に,次の三つの研究課題に取り組んだ. 1. 適応反辞書符号化法 前年度に提案した,入力データ列長に比例した時間で処理可能な反辞書木生成アルゴリズムをさらに改良し,任意に設定したスライド窓をあらかじめ設け,窓の範囲内に含まれる部分系列に対応した反辞書木に関して,スライド窓を系列上を左から右にずらしつつ,全体的には系列長に比例する時間コストで,反辞書木を動的に更新することに成功した.これにより,データの確率的振る舞いの変化に適応追従する符号化が可能になった. 2. 心電図波形への適用 スライド窓を設けた動的反辞書木を動的算術符号の確率モデルに利用することによって,心電図波形の圧縮を行った.心電図波形はほぼ周期的なデータであるが,周期ならびに振幅は一定ではなく時間的に少しずつ変動する非定常なデータであるため,効果的な圧縮は困難で,従来法では,元のデータ量の40%までしか削減できなかったが,提案したスライド窓をもつ反辞書木確率モデルを用いた動的算術符号化を行うと,データ量を30%まで削減することができた. 3. 極小禁止語の長さの解析 定常エルゴード情報源から生成される系列に対する極小禁止語の平均長について,Wyner & Zivの結果を適用して,極小禁止語の平均長は,系列長をエントロピーレートで割った値に確率収束することを示した.また,この結果の妥当性を計算機実験によって確認した.
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Research Products
(4 results)