2007 Fiscal Year Annual Research Report
移動体流の情報運搬能力を利用したマルチホップ無線の高性能化
Project/Area Number |
19560373
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中野 敬介 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (80269547)
|
Keywords | マルチホップ無線ネットワーク / アドホックネットワーク / コネクティビティ / エピデミックルーチング / 移動体流 / マルチホップ伝送 / 理論解析 / 通信品質 |
Research Abstract |
マルチホップ無線ネットワークにおいては,中継ノード群の密度,振る舞いの影響により,連結度が低くなることがある.そのため,始点Sから終点Dまでの経路が存在せず,SとDの間にマルチホップ経路が現れるまでの待ち時間が長くなってしまう状況が発生する場合がある.これは,マルチホップ無線ネットワークの本質的な大きな問題である.本研究では,このような問題を改善するために,移動体流が持つ情報運搬能力を最大限に利用し,情報伝送待ち時間をできるだけ小さくするようなデータ伝送手法の開発を行うことが目的である.また,シミュレーションによる評価だけでなく,理論性能評価を行うことも目的としている.また,通信品質を考慮するために情報伝送待ち時間以外の評価指標についても考え,同様の解析,開発を行うことも目的とする.これらを目的として,平成19年度は主に下記のような研究を実施し,いくつかの成果を得た. 1.一次元マルチホップ無線ネットワークにおけるデータ送信要求発生時に,始点Sと終点Dの間にマルチホップ経路が存在しない場合におけるマルチホップ経路が現れるまでの時間を詳細に理論解析し,理論的な特徴づけを行った. 2.格子状マルチホップ無線ネットワークにおいて,様々な情報伝送手法の情報伝送待ち時間の比較評価を行った.ここでは計算機シミュレーションによる解析を行った. 3.情報伝送待ち時間の解析結果を基にして,マルチホップ無線伝送とエピデミックアルゴリズムを併用することにより,移動体流の効果を最大限に利用して情報伝送遅延を削減するためのハイブリッド型データ伝送手法の開発を開始した. 4.通信品質を考慮するために,情報伝送待ち時間以外の尺度を用い,マルチホップ伝送を行った場合の通信品質の理論性能解析を行った.
|