2008 Fiscal Year Annual Research Report
移動体流の情報運搬能力を利用したマルチホップ無線の高性能化
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19560373
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中野 敬介 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (80269547)
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Keywords | マルチホップ無線ネットワーク / アドホックネットワーク / コネクティビティ / エピデミックルーチング / 移動体流 / マルチホップ伝送 / 理論解析 / 通信品質 |
Research Abstract |
マルチホップ無線ネットワークにおいては,中継ノード群の密度,振る舞いの影響により,連結度が低くなることがある.そのため,始点Sから終点Dまでの経路が存在せず,SとDの間にマルチホップ経路が現れるまでの待ち時間(以下Twaitで表す.)が極端に長くなる場合がある.このような問題を改善するために,本研究では,マルチホップ無線伝送とエピデミック伝送を併用したデータ伝送手法を考える.マルチホップ無線伝送,エピデミックルーチングを用いた場合のTwaitの解析を行い,その特性を明らかにしながら,Twaitをできるだけ小さくするようなデータ伝送手法の開発を行うことを目的として研究を行い,主に以下のような成果を得た. 1.昨年度に引き続き,マルチホップ無線ネットワークにおいて,始点Sから終点Dにデータを送る場合におけるマルチホップ伝送,エピデミック伝送のTwaitを詳細に解析しモデル化を行った.従来検討した移動体流以外の移動体流についても理論的な特徴づけを行った. 2.通信品質を考慮するために,Twait以外の尺度を用い,マルチホップ伝送の解析を行い,いくつかの理論解析手法を示した. 3.昨年度から継続し,マルチホップ無線伝送とエピデミックアルゴリズムを併用することにより,移動体流の効果を最大限に利用して情報伝送遅延を削減するためのハイブリッド型データ伝送手法の開発と性能評価を行った. 4.シャドウイングや交差点における交通の流入がある場合におけるTwaitの解析手法を示し,シャドウイング及び交通の流入によるTwaitへの影響を明らかにした.
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