2007 Fiscal Year Annual Research Report
光位相変調方式に対する自己/相互位相変調効果の高速評価法に関する研究
Project/Area Number |
19560380
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
乘松 誠司 Kyoto University, 情報学研究科, 准教授 (20303886)
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Keywords | 情報通信工学 / 光ファイバ通信 / 位相変調 / ファイバ非線形効果 |
Research Abstract |
ディジタル通信で最も重要な指標は誤り率である.誤り率に対し,どのように影響を与えるか,という点が本課題に特に重要となる.変復調方式として光差動位相変調方式が特に注目されているので,本課題ではこの方式に注目する.また,ファイバ非線形効果のうち,自己/相互位相変調の影響を定量化することが本課題の目的となる. 相互位相変調効果は波長分割多重方式(WDM)の場合に生じる.それぞれのWDMチャネルが担うデータは独立なものであるため,相互位相変調の影響を一般的に評価するには,お互いに独立なデータとなるように擬似ランダム信号を何回も発生させ,その信号がどのように影響を受けるかを評価するものが従来法である.そのため従来法では計算時間が多くかかる. まず,光差動位相変調方式において,誤り率に対応する位相差Q値というものが用いられている.これは2相差動位相変調信号に対して定義されているものである.この位相差Q値を4相差動位相変調信号に対して拡張する方法を考案し,最適送信パワーを決定する程度の場合に対しては適用可能であることを示した.この方法では,ファイバ非線形効果だけでなく,一般的に波形劣化が生じた場合にも適用でき,大幅な計算時間の低減に寄与する. また,自己/相互位相変調が同時に起こっている場合についても検討を行った.差動位相変調方式では受信系が複雑となるため,強度変調方式の場合において検討を行った.その結果,自己位相変調だけの影響を受けた波形に対し,擬似的に相互位相変調の影響を重畳させることで,誤り率を小さな誤差で推定できることを示した.
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Research Products
(3 results)