2008 Fiscal Year Annual Research Report
電子透かしの信頼性向上への応用を考慮した誤り訂正符号の復号法・性能評価
Project/Area Number |
19560382
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 融 Osaka University, 情報科学研究科, 教授 (70190098)
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Keywords | 誤り訂正符号 / 復号法 / 誤訂正確率 / 誤り検出 / 電子透かし法 / 周波数領域 |
Research Abstract |
電子透かしにおいて、透かし情報を誤り訂正符号により符号化して埋め込み、抽出した透かし情報の誤りを訂正することにより抽出した透かしの信頼度を上げることを目標としている。まず、誤り検出(訂正せずに誤りを検出)を考慮した復号方法をいくつか検討し、2重符号化を用い、内符号で誤り訂正を行い、外符号で誤り検出を行うこととした。また、誤り訂正のための復号法としてOSD(Ordered Statistic Decoding)を採用した。外符号の冗長記号数を変えることにより、信頼度(誤った透かしを抽出する確率)を制御することができる。符号の記号位置のランダム置換を行い、性能評価を行ったがランダム置換を行うかどうかによる差違は見出さなかった。このことから、ランダム性に関して大きな問題がないことがわかった。 画像に対して、空間領域(輝度)への埋め込みと周波数領域への埋め込みについて、透かし情報を埋め込み、性能評価を行ったところ、周波数領域への埋め込みが優れていることがわかった。例えば、64ビットの情報を埋め込む際に,内符号の符号長127,外符号の符号長を85とした場合,誤った透かしを抽出する確率は、ほぼ2^<-(85-64)>=2^<-21>となる。この符号の最小距離は7であり限界距離復号では3重誤りまでは確実に訂正できる。実験の結果、空間領域に埋め込んだ場合は、16重誤りについて15%が正しく復号されるに過ぎなかったが、周波数領域では半数以上が正しく復号された。精査したところ、周波数領域への埋め込みにおいて生じる誤りは、信頼度が低い受信記号に集中しており、OSD復号法と相性がよいことがわかった。
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