2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の音響的特徴抽出に基づく高齢者音声認識インタフェースに関する研究
Project/Area Number |
19560387
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
二矢田 勝行 Kyushu Institute of Technology, 大学院・工学研究院, 教授 (50363396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水町 光徳 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 助教 (90380740)
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Keywords | 高齢者音声 / 音声の表現語 / 音声の聴感的特徴 / 音響的特徴 / 音声認識 / 音声インタフェース |
Research Abstract |
本研究は、高齢者用の音声認識インタフェースを実現するための要素技術研究であり、高齢者音声の音響的特徴を明らかにすることが目的である。平成20年度は主に以下の項目の研究を行った。 1.高齢者音声を特徴付ける表現語 平成19年度に抽出した高齢者音声の特徴の体系化を行った。大まかに述べると、高齢者音声の特徴は「しゃがれ」「メリハリの無さ」「発声の遅さ」である。 2.「しゃがれ声」の音響特徴の検討 医学的な知見によると、「しゃがれ声」は原因別に「がらがら声(R)」「息漏れのある声(B)」「弱々しい声(A)」「気張った声(S)」に分類される。試聴によって高齢者音声データを分類した結果、RとBに該当する音声が多いことがわかった。Rに分類されたデータを音響分析した結果、母音などの定常部のスペクトルの周期的な揺らぎが観測された。また、Bに該当するデータは、有声部のスペクトルにおいて4kHz以上のエネルギー値が高いことが観測された。 3.「メリハリの無い声」の音響特徴の検討 「メリハリの無さ」は、高齢化によって発声器官の動きが緩慢になることが原因である。したがって、音声の時問遷移に特徴が現れると考え、音素境界部における「スペクトル遷移」「パワー遷移」「フォルマント遷移」と聴覚的メリハリ度合いの関係を調べた。その結果、これら全てが、メリハリ度と強い相関があることがわかった。また、メリハリ度とピッチ変化も関係があることが判明した。
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Research Products
(7 results)