2007 Fiscal Year Annual Research Report
正弦波状波長走査光干渉法によるナノオーダ精度での3次元膜形状計測
Project/Area Number |
19560419
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐々木 修己 Niigata University, 自然科学系, 教授 (90018911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 孝昌 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40206496)
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Keywords | 形状計測 / 波長走査 / 光干渉計 / 信号推処理 |
Research Abstract |
2つの反射面を有する測定物体の形状測定を行うための信号推定処理法を確立した。すなわち、検出された干渉信号と干渉信号の理論式との差の二乗和を誤差関数とし、この誤差関数を最小にすることによって2つの反射面の位置に対応する2つの光路差を求めることができることを確証した。推定すべき変数としては、光路差に比例する波長走査から生じる変調振幅位相、干渉位相、そして複数の干渉信号の振幅比であり、正しい推定解が得られるための初期値と真値の差について明らかにした。実験では、シリコンウェハー上にコーティングされた厚さ1μmと4μmのSiO_2膜を測定対象とした。スーパールミネッセントダイオードと音響光学波長可変フィルターを組み合わせた波長走査光源を構成し、最大60nm程度の波長走査幅を得た。この光源のスペクトル半値幅は4nmと広いためコヒーレンス長を考慮する必要があることが分かった。また、SiO_2薄膜で生じる多重反射光による干渉信号も理論式に取り入れる必要があることが明らかとなり、そこで、波長を直線状に走査することによって得られる干渉信号から多重反射光による複数の干渉信号の振幅比を求める方法を提案し、この測定値を初期値として用いた。以上の方法による正弦波状および直線状波長走査干渉計を用いて測定した結果、厚さの薄い領域では平均膜厚1062nm、厚い領域では4109nmの膜厚であり、繰り返し誤差は3nm以下となった。
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