Research Abstract |
本年度は,前年度成果である(1)完全シフト不変なウェーブレット設計法の開発および(2)金属めっき表面欠陥計測システムの構築を行った結果をもとに,(3)表面欠陥検出プログラムの構成,(4)提案する欠陥検出手法の妥当性の検証を行った. (3)のプログラムとしては,前年度導入した計測システムの制御部,同システムでの撮影部,欠陥検出処理部に分けて開発を行った.制御部では,システムの構造上,光源とカメラの位置を制御する軸が機構的に干渉する問題があったため,幾何学解析にもとづき干渉を回避する位置制御プログラムを構築した.撮影部においては,導入したカメラのパラメータ調整とシャッター制御を行うものとした.これらを連動させて,検査対象の任意の角度から解析用画像を取得するシステムとした.欠陥検出部においては,アルゴリズム検証用と実装用の2つのプログラムを作成し,検査精度と処理高速化を試みた.その結果,(1)のアルゴリズムを導入することにより,解析処理時間の短縮化を達成した.検査精度については,その精度に関わる検査解析時の鏡面反射光削除用の画像枚数が,検査対象形状により著しく変化することが明らかとなった. そこで,(4)の妥当性検証を兼ねて,平面,半球,三角錐等の複数形状に対して,実製品同様のメッキ処理を施したサンプルを用意し,これらの形状に対する画像取得と,各形状の鏡面反射モデルの構築を進めた.鏡面反射モデルのパラメータと対象形状の関連性については,継続して検討中であるが,平面形状に関しては,従来研究同様の精度下で解析処理時間の短縮を実現した.
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