Research Abstract |
従来からの実験により,計測制御用コンピュータを用いて,円筒形補助電極を有する長間隔微小測定電極実験装置内部に棒状誘電体を設置し,誘電体を回転させながら静電容量を計測した場合,誘電体と測定電極の相対的位置変化によって,実験装置内部の電界分布が変化し,静電容量へ影響することが判明している。そこで,回転ステージを用いて,実験装置の角度を1度刻み毎に回転させた場合の実験を行った。その結果,従来の実験結果に比較して,誘電体位置が精度良く決定できることになったが,現有するLCRメータの問題で,静電容量の精度に問題があることが判明した。そこで,本年度は,再度,実験装置を構築し,静電容量の精密計測を実現する予定であった。しかし,実験装置の製作を依頼した結果,製作上技術的に解決困難な問題が浮上し,数値電界解析を実行することにした。一方,長間隔平行平板キャパシタの電極間複数誘電体位置推定手法について,実験を行いデータを纏め,論文を投稿した。その成果が,平成20年4月に電気学会論文誌Aに掲載された『相知政司・崔乗学・徳島尚生・古川達也「補助電極付長間隔平行平板キャパシタの電極間複数誘電体位置推定」,Vol.128,No.4,pp.179-186』である。この論文で,平行平板キャパシタ間の電極間複数誘電体位置推定手法について提案し,実現性を議論した。さらに,電流計が接続された測定電極を覆う補助電極の大きさを変化させた場合の数値電界解析に静電容量計算結果を平成21年3月に北海道大学にて開催された電気学会全国大会で,「長間隔円弧形コンデンサにおける大きさの異なる補助電極での静電容量数値計算」というタイトルで口頭発表し,補助電極の最適な大きさについての知見を得た。
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