2007 Fiscal Year Annual Research Report
固体音響窓を活用した生体組織のB/A測定とそのCモード画像化
Project/Area Number |
19560429
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
斎藤 繁実 Tokai University, 海洋学部, 教授 (50091690)
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Keywords | 非線形音響 / 音響非線形パラメータ / 有限振幅法 / 集束超音波 / 音響窓 / 速度分散 / Cモード画像 / 生体軟組織 |
Research Abstract |
本研究は、HF帯の高周波集束超音波を用いて、生体関連物質の音響非線形パラメータB/A値を測定する方法を確立すると共に、これを自動化・高速化することによって、従来成功していないB/A値のCモード画像化を達成するのが目的である。本年度は、まず、既に構築されている20MHz集束超音波非線形測定系において、試料を水カプラントから隔離する音響窓に高分子膜を用いてB/A値を測定できることを示した。その改良として、試料厚を一定にし易い固体音響窓を採用するため、各種高分子板の音響特性の評価を行った。その結果、使用周波数で減衰と速度分散性が最も小さいポリスチレンが適しているという結論を得た。またポリスチレンのB/A値も測定できた。そこで、ポリスチレン板を音響窓に採用して試料のB/A値を測定する方法を検討した。本実験装置は本研究者らが独自に開発したガウス音源を用いており、ビーム音圧の径方向分布があらゆる軸方向距離でガウス分布をとる。そのため、極めて簡便に計算できる解析解が求められ、それが測定の際のB/A値算出に供された。ただひとつの問題点として、固体音響窓では集束ビームの斜め入射成分に対し横波へのモード変換が起こり、それが予期せぬ大きな誤差要因となることがわかった。本研究では、その対処法を確立でき、意義のある成果となった。また、HF帯での測定のため試料の速度分散性も問題となったが、その対処もできた。その結果、B/A値が既知の液体・生体試料について実験し、B/Aの真値が得られることを確認できた。さらに、このようにして確定された測定法を、LabVIEWを用いて自動化した。手動では馴れていても試料設置後に15分くらいかかる測定が14秒で完了した。次年度はさらなる高速化、高精度化を目指し、Cモード画像化を行う。
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Research Products
(8 results)