2008 Fiscal Year Annual Research Report
固体音響窓を活用した生体組織のB/A測定とそのCモード画像化
Project/Area Number |
19560429
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
齋藤 繁實 Tokai University, 海洋学部, 教授 (50091690)
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Keywords | 音響非線形パラメータ / 有限振幅法 / 自動測定 / 集束超音波 / 固体音響窓 / 速度分散 / Cモード画像 / 生体軟組織 |
Research Abstract |
本研究は、HF帯の高周波集束超音波を用いて、生体関連物質の音響非線形パラメータB/A値を測定する方法を確立すると共に、これを自動化・高速化することによって、従来成功していないB/A値のCモード画像化を達成するのが目的である。前年度にf=20MHz集束超音波非線形測定系で、試料厚を一定にし易いポリスチレン板で試料を水カプラントから隔離し、この音響窓とタングステン反射棒の端面とに挟まれた厚さ約1mmのギャップ内の液体試料のB/A値を測定する方法を開発した。試料の透過に要する時間から音速を、試料-音響窓境界からの反射波振幅から密度を、試料の透過音波の振幅低下率から減衰を、f、2fの2周波送波時の受波信号の位相差から速度分散を求めた後、試料透過音波の第2高調波振幅値と上で得た線形特性を総合してB/A超値を求めた。また、その自動化に着手した。本年度は、前年度に引き続き自動化の高速化と高精度化を行った。高速化のため、反射集束音波の検出時に、反射面を計算した焦点距離に直ちにメカニカルステージで移動させる方法を採った。また、f、2fでの減衰測定を速度分散の測定と同時に行うこととした。一方、高精度化のために、音響部分全体を低温インキュベータ内に収納することによって一定温度化を徹底した。また、速度分散の測定時には、バースト波全体をフーリエ変換して、ノイズの影響を低減できるようにした。さらに、トランスデューサの駆動電圧やオシロスコープの測定レンジを、小振幅範囲で十分なS/N比を確保できるように設定した。その結果、5秒間でB/Aを自動測定でき、それを繰り返して行ったとき測定値の標準偏差を1%以下に抑えることができた。次いで、生体試料を±2mmの範囲で横移動させてB/Aを連続的に自動測定する実験を行い、Cモード画像の取得が可能である見通しを得た。
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Research Products
(8 results)