2008 Fiscal Year Annual Research Report
国際規格に準拠して安全性と制御性能のトレードオフのバランスをとる日本発の新技術
Project/Area Number |
19560438
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
陶山 貢市 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋工学部, 准教授 (80226612)
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Keywords | 安全性 / 国際規格 / 制御システム / 制御性能 / トレードオフ / 制御則 / 耐故障性 / コントロールロジック |
Research Abstract |
システムの安全性に対する社会的な意識の向上に伴い,昨今では「安全性も重要な品質である.安全性と制御性能の間にはトレードオフがあり,そのバランスが重要」と広く認識されるようになってきた.本研究では,この従来漠然と意識されていたトレードオフの明確化を強く意識し,そのバランスを国際安全規格に準拠した形で,すなわちオーサライズされた形で制御則というロジックでとるというまったく新しい技術を確立することを目的としている. 1. 安全性の観点においては,国際安全規格IEC 61508に準拠して制御則の品質としての安全性を定量的かつ確率的に評価する枠組みを整備し,共通原因故障なども扱えるように拡張した. 2. 制御の観点においては,正常時の制御性能がもっとも重要であるため,故障時の制御性能に比べて,どの程度重要視するかという定量的尺度を導入した.そして,正常時と故障時の制御性能指標とのバランスをとる制御則設計の枠組みを構築した. 3. 安全要求が高ければ(低ければ)達成可能な正常時制御性能は低くなる(高くなる)という,安全性と制御性能の間のトレードオフの存在を例によってはじめて定量的に示した. 4. 故障時に保証する制御性能が高ければ(低ければ)達成可能な正常時制御性能は低くなる(高くなる)という,正常時と故障時の制御性能間のトレードオフも例によってはじめて定量的に示した. 5. それらのトレードオフを背景として,安全要求及び故障時制御性能に対する要求をクリアした上で正常時制御性能指標を最適化する形で安全性と制御性能の間のバランスをとる制御則設計の枠組みを構築し,そのアルゴリズム化,さらにはソフトウエア化を行った.
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Research Products
(6 results)