2008 Fiscal Year Annual Research Report
非線形RH制御の計算効率向上とチューニング手法に関する研究
Project/Area Number |
19560442
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大塚 敏之 Osaka University, 基礎工学研究科, 教授 (40272174)
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Keywords | 制御工学 / 非線形 / 最適制御 / 実時間計算 / チューニング |
Research Abstract |
非線形Receding Horizon制御は,実時間で非線形最適制御問題を解いてフィードバック制御を行う問題である.本研究は,計算効率の向上と,評価関数の体系的なチューニング手法確立,そしてさらなる応用とを目的とする. チューニング手法に関しては,評価関数と閉ループ系の応答との関係を見通し良くするため,まず出力と入力との関係を線形システムに変換する入出力線形化と呼ばれるフィードバック制御手法を適用し,実際の制御入力の大きさと入出力線形化のための制御入力からのずれとのトレードオフを一つのパラメータで調整する手法を検討した.シミュレーション例によって,ゼロダイナミクスが安定な場合は提案手法が有効であることを確認した. 計算効率向上に関しては,最適制御問題に現れる微分方程式に中心差分近似を導入することにより,計算量をほとんど増やさずに精度が向上できた.また,過去に検討したmultiple shootingとcondensingとが制御実験でうまく実装できなかった問題について,再度実験を行い検討した.しかし,観測ノイズや数値計算誤差の影響などを調べたものの,原因の解明と対策にはいたらなかった.今後も検討を続けるとともに,他の精度向上方法も試みる. 応用に関しては,自動車の衝突回避問題と鉄鋼の冷延プロセスにおける板厚制御に対する応用を行った.従来の線形モデルに比べて複雑だが物理現象をより正確に考慮した非線形モデルを構築し,非線形Receding Horizon制御の数値シミュレーションを行った.その結果,実時間計算実現の見通しが立った.
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