2007 Fiscal Year Annual Research Report
確率システム制御理論に基づく生物の自己組織化制御とその応用
Project/Area Number |
19560444
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石川 昌明 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (30201916)
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Keywords | 確率反応拡散方程式 / 時空間パターン / バクテリアコロニー / 走化性 / 最大原理 / 最適制御 / シミュレーション / 有限差分法 |
Research Abstract |
生物の自己組織化としてバクテリアの自己組織化による有機能集合体(バクテリアコロニー)形成過程を考え、特に大腸菌(E.coli)のように誘因物質の濃度勾配を検出し、自分自身で移動方向を決定できる走化性をもつバクテリアの自己組織化を考察した。バクテリア密度変化の時間的・空間的揺らぎや媒体化学物質中の不純物の影響を考慮し、走化性を取り入れた確率反応拡散方程として、走化性バクテリアの自己組織化過程の確率モデルを提案した。提案した確率モデルによるシミュレーションを行い、提案モデルの有効性を検証した。さらに、外乱のコロニー形成への影響についても明らかにし、外乱がコロニー形成を促進する働きをすることを明らかにした。大腸菌は鞭毛を有しており、この鞭毛を半時計方向、時計方向に回転することによって直進と方向転換ができる。直進と方向転換によって誘因物質濃度の高い方向に移動し、高密度集合体(コロニー)を自己組織化的に形成する。そこで、誘因物質濃度分布を制御することによってバクテリアの移動を制御することによりコロニーの自己組織化を制御する方法について考察した。誘因物質とバクテリア密度をそれぞれ制御入力、状態変数:として、内部のバクテリア密度分布が規定のバクテリア分布との2乗誤差制御入力の2乗からなる2次評価関数を設定し、最適制御問題を考察した。すなわち、バクテリアの自己組織化制御問題を非線形確率分布システムの最適制御問題として定式化し、確率最大原理を用いて最適制御系の基本設計を行った。
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Research Products
(6 results)