2008 Fiscal Year Annual Research Report
非線形ダイナミクスの構造と量情報を統融合する制御理論基盤の構築
Project/Area Number |
19560446
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 博 Kyushu Institute of Technology, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (70274561)
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Keywords | 制御工学 / 非線形システム / ダイナミクス / 制御理論 / 安定論 |
Research Abstract |
本課題は、(A)質と量を統融合する基礎理論、(B)生命システムダイナミクス、(C)情報通信ネットワークダイナミクス、の3要素の有機的連係させ、(A)を主プロダクトとする研究である。本年度は主に、昨年度に理論視点から考案した(A)を、(B)と(C)と照合する研究を行った。(B)として、昨年開発した非線形ダイナミクスの質的不均一な安定度を特徴化する量情報を基にシステム挙動を解析する理論を、ショウジョウバエ細胞に適用した。概日リズムが発生する必要条件が解析的に得られ、リアプノフ関数による質と量を統合した特徴化に世界で初めて成功した。これは、国際会議のSICE2008International Awardを受賞した。(C)は、エッジスーパバイザ型のTCPネットワークフロー制御に取り組んだ。(C)はダイナミクスの非対称特性が人工的で、工学的に活用する(できる)ことが(B)と大きく異なった。通信ネットワークにおいては、セクション間の動的干渉の変化と伝達遅れがダイナミクスの質的大変化を発生させることに注目し、調査を行った。この追究には、昨年度に招聰したProf.P.Pepeから得た専門知識が非常に役立ち、(C)から(A)へのフィードバックがスムーズに進んだ。成果の幾つかを、速報として国内外の研究会議で発表し、外国論文誌へ投稿した。さらに課題解決のための視野・知見の拡大を目指し、予定通りProf.Antoine Chaillet(仏、Univ.Paris Sud)を招聘し、セミナーと複数長時間の討議による専門知識交換を通じて、量情報の具体的な見積もり理論の新しい一着想を見出した。
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Research Products
(11 results)