2008 Fiscal Year Annual Research Report
制御系の性能改善性を保存したシステム分解法の開発とそのモデル予測制御への応用
Project/Area Number |
19560449
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
児島 晃 Tokyo Metropolitan University, システムデザイン研究科, 教授 (80234756)
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Keywords | 制御工学 / モデル予測制御 / 拘束システム / 特異値分解 |
Research Abstract |
本研究は,モデル予測制御法を規模の大きな問題に合理的に適用する方法を開発し,また実装の容易な非線形ゲインの構成法を明らかにしようとするものである.本年度は(1)モデル予測制御問題の低次元化法の展開,(2)モード遷移を考慮した離散時間最適レギュレータの開発,(3)H2予見補償との対応と実験的考察を行い,以下の結果を導いた. (1)モデル予測制御法の低次元化:昨年度得た予測モデルの低次元化法を改善し,制御対象の内部状態の影響を反映させたシステム分解法を導いた,本手法は,評価関数に最も影響を与える初期状態と制御入力列の対を特徴づけるものであり,自然に最適レギュレータの生成する制御入力列を含めることができる.そして,今回導いた状態・入力列の対応からモデル予測制御法が,効率的に解けることが示された. (2)モード遷移を考慮した離散時間最適レギュレータの開発:昨年度検討した張力・ルーパ系(圧延システム)の起動制御に関する結果を一般化し,モード遷移を考慮した離散時聞最適レギュレータを導いた.制御法は準最適であり,性能の上界と下界がRiccati差分方程式の解により表されることを示した. (3)H2予見補償との対応と実験的考察:H2予見補償法はインパルス外乱の影響を抑制する補償則を与えるものであり,外乱により初期状態変化を表せば,成果(1)に加えて応答改善の効果が検討できると考えられる.本年度はこのような視点から,H2予見補償則とシステム分解の関係を調べ,状態設定の効果を実験研究(2慣性系,倒立振子)を通じて検討した,今後は,応答改善と制約の考慮を(1)の成果に基づいて検討する予定である.
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