2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560462
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
遠藤 孝夫 Tohoku Gakuin University, 工学部, 教授 (90265182)
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Keywords | ダムコンクリート / クリープ / ヤング係数 / 強度 / 内部応力 / マスコンクリート |
Research Abstract |
平成21年度は,前年度に続き(1)既設コンクリートダム建設に係わる資料収集とコンクリート特性の把握,(2)ダムコンクリートの常時荷重時下の内部応力の検討,を行い以下のような成果を得た. 1) 既設コンクリートダム建設時の各種実験や建設方法に関する報告書を収集できた.また,既設ダムに設置した各種計器による観測結果も収集できた.これらより,幾つかのダムについては建設当時の材料や施工方法,コンクリートの諸特性の把握の他,建設後のダムの性状に関する情報が得られ,今後のダム挙動解析のデータを得ることができた. 2) 前年度の中庸熱ポルトランドセメントの水和度をもとにセメントペーストと骨材のヤング係数よりダムコンクリートのヤング係数の経時変化を評価する手法を別の2つのダムにも適用し,本手法の有効性を確認した. 3) 東北地方に建設が予定されている重力式ダムについて,施工の標準案に忠実なシミュレーションを行い,コンクリートの温度応力等による内部応力の推移を検討した.この際,クリープの他,乾燥収縮と自己収縮も考慮した.その結果,自己収縮を考えるとコンクリート堤体表面部の富配合コンクリートに大きな引張応力が生じ,ひび割れが発生しやすくなることが明らかにされた. 4) 日射による入熱の算定方法を再検討し,有限要素法解析に入力しやすい表示法とした.これによって,従来から行ってきた外気温の評価に加え新たに太陽熱による入熱を考慮しやすくなった. 5) ダムコンクリートに用いられる中庸熱ポルトランドセメントペーストで密封養生した場合の超音波速度の評価法を提示した.これにより,種々の養生条件によるセメントペーストのヤング係数の評価が可能となった.
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