2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゼロエミッション達成のための生コンスラッジ水多量有効利用の実用化に関する研究
Project/Area Number |
19560468
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
中本 純次 Wakayama National College of Technology, 環境都市工学科, 教授 (70043552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三岩 敬孝 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (40274253)
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Keywords | ゼロエミッション / インプラントリサイクル / コンクリートスラッジ / 練混ぜ水 / 実用化 / 安定化 |
Research Abstract |
レディーミクストコンクリートプラント(以下,生コンプラントという)では,ミキサーやアジテータトラックドラムの洗い排水や,残コン,戻りコンを処理した廃水によりスラッジ水が発生する.生コンプラントは全国に約4500工場が存在し,これまで発生するスラッジの多くはスラッジケーキ化され埋め立て処分されてきたが,最終処分場の残余容量のひっ迫等の様々な課題については,その速やかな解決に向け,更なる取り組みが求められている.著者らは、レディミクストコンクリートプラントで発生するスラッジ水の有効利用に関して,研究を継続してきている.現在,JISA5308は単位セメント量の3%までの固形分の使用を認めているが,ゼロエミッションの達成に向けてさらなる多量有効利用が求められている.なお,スラッジ水は,セメント,骨材細粒分および水で構成されており,すべてがコンクリートの構成材料であることから循環資源としての利用が期待される. 平成20年度の研究は,和歌山県域の生コンプラントで発生する生コンスラッジの発生状況や利用実態を把握するとともに,現場の技術者や作業員がスラッジ水の品質管理を容易に行えるような管理手法を確立しようとするものである.利用実態については詳細調査を行った結果,スラッジ水を練混ぜ水として利用可能であれば使用したいと考えている生コン工場は多いが,現状で利用している工場は皆無である.その理由として,近年の生コンクリートの使用量の減少により,新たな設備投資が経営的に負担となること,また和歌山県域ではスラッジの発生量が少ないことからメリットが少ないことがあげられる.さらに,和歌山県産の骨材(和泉砂岩)を用いたコンクリートの乾燥収縮ひずみが大きいことが問題となる中,スラッジ水の利用は発注者の理解が得られにくいという背景もある.スラッジ水を用いたコンクリートの乾燥収縮ひずみへの影響については,検討項目に追加して,現在測定中である.品質管理手法については,実用化のために出来るだけ設備投資を抑える必要があることから簡易な装置を試作して検討を行っている状況であり,論文投稿には至っていない.
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