2007 Fiscal Year Annual Research Report
震源域における工学的基盤面の地震時変位と埋設管路の耐震性能への影響の評価
Project/Area Number |
19560471
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大町 達夫 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90126269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 修作 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教務職員 (50361762)
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Keywords | ライフライン / 地中構造物 / 耐震性能評価 / 直下地震 / 地盤変位 / 地盤びすみ |
Research Abstract |
水道や電力の埋設管路やトンネルなどの地中構造物の地震時挙動は、周辺地盤の変位やひずみに支配されることが知られている。したがって、これらの構造物の耐震性能評価を行うためには、地震時における地盤の変位やひずみを正確に把握することが重要になる。そこで、本研究では1995年兵庫県南部地震、2004年新潟県中越地震、2007年能登半島地震および2007年新潟県中越沖地震を対象に、以下の3つの方法で地震時地盤変位を求めた。 1)強震加速度記録を積分することにより地盤変位を算定する、2)地震前後のGPS記録を精密単独測位法により解析する、3)3次元直接境界要素法による数値シミュレーションを行う。 これらのデータを用いて、地盤ひずみ分布を推定し埋設管路の地震被害との関連性を調べた。その結果、埋設管路の地震被害が発生した地域の分布は、水平動最大変位分布よりも最大ひずみ分布との対応がよいことが明らかになった。一方これらとは別に、東工大レーザートンネルにおいて地震動と地震時ひずみの観測を開始し、観測データを蓄積し両者の関連性を調べた。このトンネルは一辺2mの正方形断面で、長さ50mの中央部分にアルコープ(突出部)がある。地震観測の結果により、トンネル軸方向ひずみはトンネル長手方向の地震動速度成分との相関性が高く両者の比の値は3km/s程度の速度となること、トンネル側面に避難所のような突出部(アルコーブ)があると地震時ひずみは格段に低減されることなどが判明した。今後、さらに地震観測を継続して詳細な解析をする必要があるが、これらの結果は、埋設管路の耐震設計や耐震性能照査に貴重な資料を提供するものと期待される。
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Research Products
(2 results)