2009 Fiscal Year Annual Research Report
繰返し荷重を受ける大型断面木部材の鋼ジョイント近傍の応力性状
Project/Area Number |
19560482
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
今井 富士夫 University of Miyazaki, 工学部, 教授 (00038077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 隆雄 宮崎大学, 工学部, 教授 (70041027)
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Keywords | 集成木材 / ボルト接合 / 引抜け性状 / 樹脂充填 / 耐荷力 / 静的引張載荷 |
Research Abstract |
先の2年間の研究で静的漸増荷重や静的繰返し荷重に対して、ボルトとボルト孔の隙間に充填された樹脂がボルト接合部の耐荷力を向上させ、その耐荷力はボルト孔と同径のボルト耐荷力と同等となることを明らかにしてきた。本年度は長期間の繰返し荷重についても、同様な効果を得られるかを検討する疲労試験を実施した。また、ボルト接合ではボルト近傍の木部材には過大な応力集中を受けるが、正確な応力分布は木目や節などにより実験的には把握できない。そこで、接合部近傍の応力分布を正確に把握することを目的に、ボルトの木部へのめり込みや肌離れをも表現できる解析モデルの作成にも取り組んだ。 (1) 疲労試験では16mmのボルト孔に12mmボルトを挿入し、その隙間に樹脂を充填した供試体による疲労試験を、上限荷重を12mmボルトの終局強度の90%として行った。目標繰返し回数を50万回としていたが、5万回程度でボルトの鋼板接触部でのせん断疲労破断や接合冶具の割れなどが生じて、樹脂の効果を十分に把握するには至っていない。しかしながら、疲労載荷に対しても樹脂の剛性の向上に対する確認できたと考える。現在、新たな冶具や載荷試験機の補修を行っている。 (2) 解析モデルについては、ボルトの木材へのめり込みや反対側のボルトの木部材からの肌離れを表現できると考えられる接触要素の1つであるコンタクト要素を用いた2次元解析モデルの開発を行った。その結果、ボルト近傍の木部材の挙動をよく表現でき、そこで得られた応力性状は通常の解析で使用されるボルトとボルト孔の接合線の節点を共有するモデルとは異なった応力性状となることが明らかとなった。現在、実構造に適用できる3次元解析モデルへの拡張を試みている。
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Research Products
(2 results)