2008 Fiscal Year Annual Research Report
既設鋼構造部材の残存耐荷性能評価に関する実験的および解析的研究
Project/Area Number |
19560484
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
野上 邦栄 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科都市基盤環境工学専攻, 教授 (00094277)
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Keywords | 腐食 / 耐荷力実験 / 最小断面積 / 残存耐荷性能 / 腐食形状計測 |
Research Abstract |
劣化・損傷に伴う鋼橋およびその部材の残存耐力評価方法を確立するためには、(1)腐食した鋼桁おとび部材の腐食形状計測技術の開発し、(2)それら腐食鋼部材の終局強度特性の把握、(3)耐荷力低下を最も精度良く評価できる腐食パラメータ因子を実験的および解析的に明らかにする必要がある。本年度は、以下について検討した. (1)腐食した鋼圧縮部材の残存耐荷性能に関する解析的検討を行い、腐食損傷に伴う鋼圧縮部材の残存耐力評価方法の確立を目的に、実腐食部材の腐食形状の計測精度と再現性、およびその終局強度特性、さらに耐荷力低下を最も精度良く評価できる腐食パラメータ因子について実験的および解析的に明らかにした。 (2)選定された評価パラメータを用いた残存耐荷力評価式として、最大断面欠損率による線形式を提案した。これにより、腐食した柱部材に対して、道示の柱の基準耐荷力曲線から算出される強度および部材の最小断面積を用いることにより残存耐荷力を評価することが可能になった。 (3)鋼構造物の鋼板の重ね合わせ部やボルト下などのすきま部分の金属が腐食する、いわゆるすきま腐食の実態を解明するため、実橋のボルトおよびリベット接合部および鋼板重ね合わせ部の接触面およびその近傍の腐食計測を実施して、接合部のすきま腐食形態の現状を明らかにした。
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