2008 Fiscal Year Annual Research Report
近代木橋の経年による構造性能と健全度の実態評価に基づく維持管理法とその基準開発
Project/Area Number |
19560488
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
本田 秀行 Kanazawa Institute of Technology, 環境・建築学部, 教授 (00110990)
|
Keywords | 木橋 / 構造性能 / 健全度調査 / 構造解析 / 振動使用性 / 経年による木材の強度低下 |
Research Abstract |
平成20年度は、木橋の経年による構造性能と健全度の実態評価に基づいて維持管理法とその基準を検討するために、近代木橋の架設実績と保守工事・点検実績の要因分析、「木のかけはし」と「みどりばし」の実橋実験と構造解析を行い架設後約10年の経過による構造性能の経年変化などを検討した。 1.わが国の木橋架設実績として961橋のデータを収集し、完工年、地域、構造形式、支間長、樹種など多くの要因から要因分析を行った。その結果、架設は1996年から1998年、地域は九州、甲信越、東北地方、形式は桁橋、樹種はスギやボンゴシに集中していることが判明した。また、保守工事・点検実績として318橋のデータを収集した。保守工事有りが31%、無しが56%、点検有りが48%、無しが52%であった。特に、保守工事は約10年後に行われている実績が多い。また、点検無しの理由は点検マニュアルが無いや予算が無いが主な理由になっていることが判明した。 2.架設後11年が経過した木のかけはし(木床版道路橋)では、鉛直曲げ1次固有振動数が0.5%の減少、減衰定数は28%の減少であった。また架設後10年が経過したみどりばし(木ラーメン道路橋)では、鉛直曲げ1次固有振動数が0.5%の減少、減衰定数は0.5%の減少であった。両橋とも経年によって構造性能が変化していることから、その原因となる木材の強度低下が定量的に把握された。 3.木材の腐朽によって撤去後、別な場所に再架設されたかっぱ橋(木トラス歩道橋)の破壊実験に関するデータを基に、かっぱ橋の3次元構造解析を行った。その結果、最終破壊時での静たわみから、集成材全体で10%と腐朽が顕著な格点部3か所で40%の腐朽を推定した。また、木材の腐朽によって固有振動モードは低次振動で連成振動が、高次振動で局部振動が出現し、鉛直曲げ5次と6次に振動モードの変更も確認された。
|
Research Products
(9 results)