2009 Fiscal Year Annual Research Report
近代木橋の経年による構造性能と健全度の実態評価に基づく維持管理法とその基準開発
Project/Area Number |
19560488
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
本田 秀行 Kanazawa Institute of Technology, 環境・建築学部, 教授 (00110990)
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Keywords | 木橋 / 構造性能 / 健全度調査 / 振動使用性 / 構造解析 / 経年による残存強度 |
Research Abstract |
平成21年度は、近代木橋の経年による構造性能と健全度の実態評価に基づいて維持管理法とその基準を開発するために、近代木橋の架設実績と保守工事・点検実績の要因分析、「おおさる橋」の実橋実験と構造解析を行い架設後約10年の経過による構造性能の経年変化などを検討した。 1.わが国の近代木橋の架設実績に関して、961橋に対する近代木橋の構造と架設実態を定量的に分析した。さらに、318橋の既存木橋に対する補修や補強工事および点検実態のデータを分析して経過年による補修工事や点検の有無や内容の実態を定量的に把握した。 2.経過年による近代木橋の構造性能と健全度の実態を把握するために、完成直後の構造性能と初期値が得られている「おおさる橋」に対して実橋実験や健全度調査も実施した。そして、経年による近代木橋の構造性能の変化や腐朽等による健全度の実態把握を分析した。 3.建設後13年で腐朽のために撤去され試験橋として移設された「かっぱ橋の第1径間部」に対する経年や腐朽による構造性能の変化、腐朽による残存強度の推定と維持管理法の検討を行った。さらに,3次元構造解析を実施し、構造解析から木材の腐朽レベルによる構造性能の変化や健全度の評価基準を逆算的に検討し、基準開発に有意な成果と知見を得た。 4.平成19年度と20年度に実施した得られた知見と成果を統合化し、環境負荷に大きく影響される近代木橋の経年による構造性能と健全度の実態評価に基づき、わが国独自の保全と健全度評価のための維持管理法とその基準作成を検討し、具体的な基準開発が可能な知見を得た。
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Research Products
(8 results)