2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560494
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
吉嶺 充俊 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 准教授 (80251338)
|
Keywords | 土木材料 / 土質力学 / 地盤工学 |
Research Abstract |
前年度に作製した三軸伸張試験装置をもちいて豊浦標準砂を用いた非排水単調せん断試験を実施した。その結果、せん断ひずみ50%程度までの大変形試験において、供試体を正しく円柱形に保ったまま変形を持続させて信頼性のある実験が可能であることを確認した。また、通常の三軸せん断試験装置による実験結果と小ひずみレベルでのせん断挙動を比較することにより、本研究において製作した試験装置の載荷板摩擦等による実験結果への影響は十分に小さく、応力測定精度は十分に高いことを確認した。ただし、供試体拘束装置の引き上げワイヤーの強度が不足していたので、柔軟性を失うことなく強度を増大させる結線方法等を工夫し、供試体変形測定システムについてもワイヤー引き上げ変位とは独立した計測システムを導入することにより、試験装置の改良を行った。これらの実験装置の開発およびその装置を用いた実験結果より、三軸伸張条件での砂の大変形・定常状態特性は、これまでに知られていた三軸圧縮条件でのものとほぼ同じであることを示した。つまり、砂の液状化大変形強度特性は主応力方向や中間主応力の大きさなどといった砂の変形モードによらずに決まることを実証できたといえる。このことは砂地盤の地震時の液状化災害の予測や対策の上で大変に重要な知見である。さらに、低拘束圧・低せん断抵抗条件での砂の大変形試験を行うために、非常に緩くかつ均一な砂の供試体を作成する方法の開発や、実験に用いる豊浦標準砂の詳細な粒度分布を解明するための実験も実施した。これらの研究成果を国際・国内研究会議で報告したほか、本年夏に開催予定の学術講演会等に投稿した。
|