2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560496
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
安田 進 Tokyo Denki University, 理工学部, 教授 (90192385)
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Keywords | 液状化 / 沈下 / 家屋 / 砂地盤 / 地震 / 模型実験 / 被災事例分析 / 解析 |
Research Abstract |
地盤が液状化するとその上に建っている直接基礎の構造物は沈下する。この場合等しく沈下するとは限らず,不同沈下を生じることが多いが、そのメカニズムや影響を与える要因などは明らかにされていない。構造物によっては絶対沈下量そのものよりはこの不同沈下による傾斜角の方が問題になるものが多くある。例えば,住宅では1/100程度以上傾くと,その場所で生活できなくなる。そこで、本研究はこのような液状化による直接基礎の不同沈下に焦点をあてて,そのメカニズムの解明から,予測,対策,ハザードマップの作成まで行うものである。 平成19年度では、まず、過去の被災事例を収集し、建物の隣接距離や液状化層厚の影響を調べた。また、振動台を用いた模型実験と“ALID"による解析を行い、隣接する建物模型の距離や地下水位、液状化層厚が2棟の傾斜や沈下量自体に与える影響を明らかにした。 これに引き続き、平成20年度には2棟間に重しを置いたり、2棟を連結させるなどの既設構造物に対する簡易な対策方法を考案し、その効果を振動台実験によって確かめた。また、液状化の発生が懸念される地域に対し,戸建て住宅の不同沈下に対するハザードマップを作成する手法を開発した。このため、平成19年度に検討した影響要因を考案した、戸建て住宅の不同沈下量および向きの分布を推定する経験式を導き出した。この式の妥当性は鳥取県西部地震による米子の被災事例で検証した。そして、東京の下町の1区画にこの式を適用し、各家屋がどのように不同沈下するか予測した。その結果、一連の住宅の列の隅の家屋では不同沈下量が大きくなることなどが分かった。さらに、許容不同沈下量と比較して、実被害の有無を検討した。
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