2008 Fiscal Year Annual Research Report
汚染土壌の凍結融解洗浄のための透水係数変化のメカニズム解明に関する研究
Project/Area Number |
19560499
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
伊藤 譲 Setsunan University, 工学部, 教授 (30281752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嘉門 雅史 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (40026331)
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Keywords | 土壌汚染対策 / 凍結融解 / 透水係数 / 凍上 / 有効間隙 / 凝固点降下 / 関東ローム / 藤森粘土 |
Research Abstract |
凍結融解による細粒土の透水係数変化のメカニズムについて,研究2年目(平成20年度)の研究成果は以下のとおりである. 1. 研究1年目の成果より,関東ロームによる実験で透水係数変化の要因について1次元凍結融解試験と圧密透水試験の結果を用いることで,土構造の変化と土粒子自体の変化に分けて定量的に評価できることが示された.このことが一般的な土について成立するのか確認するために,従来とは異なる現場採取された状態の藤森粘土とその乾燥試料の比較を実施した,その結果,自然状態の試料では凍結融解や乾燥処理を受けると透水係数の増加割合が大きくなることが確認され,関東ロームにおいて提案した方法と同じ方法で評価できることが明らかとなった. 2. 透水係数変化のメカニズムについて,関東ロームのように液性限界,粒度試験,微視的観察からある程度の説明が可能な土もあるが,藤森粘土などではこれらの実験では確認することが困難である.しかし,凝固点温度と凍結水量から求めた有効間隙比の変化を用いると,一般的な土において土粒子自体の性質が変化していることを確かめることができることがわかった. 3. これらを総合して,凍結融解による汚染土壌の浄化修復効果は,1次元凍結融解試験,圧密透水試験,凝固点温度測定や凍結水量測定等の室内試験から予測可能であることが明らかとなった. 4. さらに,凝固点温度測定と凍結水量測定から透水係数以外の工学的性質を説明することが可能であることが示唆される結果が得られている.
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