2007 Fiscal Year Annual Research Report
画像解析手法を用いた地下水流動場の連続流向流速測定技術の確立と測定システムの開発
Project/Area Number |
19560506
|
Research Institution | 飛島建設株式会社防災R&Dセンター技術研究所 |
Principal Investigator |
小林 薫 飛島建設株式会社防災R&Dセンター技術研究所, 技術研究所, 副所長 (80443638)
|
Keywords | 地下水工学 / 画像解析 / 地下水流動 / 流向流速測定 / 地下水モニタリング / モニタリングシステム / 連続測定 / 地下水変動 |
Research Abstract |
地下水流動場の流向流速測定技術は、地下水管理や環境保全分野において重要な調査技術である。その中で、信頼性の高い地下水影響評価や将来予測を行うには、外的要因とともに地下水流向流速を長期かつ連続的に測定することが重要である。そこで本研究は、地下水流動によって傾く下端部がヒンジ構造の「浮き」を用いて、その「浮き」の上部に配置したCCDカメラで浮き頭部の挙動を連続取得し、そのデジタル画像を画像解析することで、地下水の流向および流速を長期かつ連続的に測定する画期的な測定技術を確立・開発することを最終目的としている。当該(平成19)年度は、低流速場でも敏感に反応する「下端部ヒンジ構造の浮き」を開発するために、解析的検討および実験的検討を実施した。その結果を以下に示す。(1)3次元シミュレーションによる解析的検討結果より、(1)流水方向に浮きの傾斜が安定する断面形状は円形である。(2)円形断面の浮きを用いた場合の適用流速範囲は,上限値は1.0cm/s未満で、下限値は0.01cm/s(1×10^<-5>m/s)程度と想定されるが、浮き下端部のヒンジ機構と浮きに作用する浮力の影響が大きいため、実証実験による検証が必要である。(3)初期流速と浮き前面に作用する水圧は、両対数上で比例関係を示す。例えば、初期流速が1オーダー上昇(低下)すると、作用水圧は2オーダー増加(低下)することがわかった。次に、大型水槽を用いた室内実証実験では、地下水流速が0.1〜1cm/s程度の範囲では精度良く測定可能である.しかし、地下水流速が0.01〜0.1cm/s未満の範囲は、測定可能範囲であると考えられるが、浮き頭部の移動量が小さいため、精度向上を図るために感度良い浮き下端部のヒンジ構造について更に検討する必要がある。(2)現地で長期間に渡り連続データを効率的良く取得するための自動画像解析プログラムのプロトタイプ型を開発した。今後、現場実験等を経て実用性を高める予定である。また、屋外使用に耐える実用的かつ効率的な長期間連続データ保存装置は、各種比較検討した結果、経済性、汎用性が非常に高い防水型低消費電力パソコン1台で対応させることとした。
|
Research Products
(2 results)