2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560508
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小葉竹 重機 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (00027260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健作 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90302455)
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Keywords | 渓流水質 / 窒素循環 / 窒素飽和 |
Research Abstract |
これまでに開発してきた山地自然流域の,炭素、窒素、水に関する物質循環モデルを発展させ,飛来するN0x量を入力とした窒素の収支を正しく計算し,各対象流域の窒素飽和の可能性を予測できるようにすることを目的としており,19年度の具体的な成果は,1)群馬県を利根川西部と東部に分けて,各数カ所ずつ土壌を採取して,脱窒菌の多寡について実験を行った。その結果,両地域とも脱窒能力に大きな差はないが,脱窒率の表現にすると,東部の方が約1.2倍の能力を有することが分かった。ただし,その結果を取り込んだシミュレーションの結果,これが西部と東部の渓流水質を左右する程の影響は持っていないことも分けった。2)我国の森林におけるリターフォール量を推定するために,大学の演習林における研究成果を,報告書から求めるとともに,現地視察も行い,気候区,樹種等による分類を行っている。これは今後も継続して行う。3)窒素循環の入力となる大気からの窒素化合物の降下量を正しく推定するために情報収集を行った。Web上でもまだ定常的にNox濃度を公表しているところがなく,非定常的な観測結果を用いざるを得なかった。得られた年に対してシミュレーションを行ったところ,観測結果よりも高い渓流水質濃度の結果となた。これはとくに乾性降下量の推定に問題があると考えられる。4)現モデルは月単位で計算を行うものであるが,実質的には,年間での推定量しか得られない物質もあり,これを如何に月単位に分割できるかについて検討を行っている。
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