2007 Fiscal Year Annual Research Report
干潟を含む極浅海域での大気-波浪-海洋-底質輸送結合モデルの構築と深化
Project/Area Number |
19560514
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山田 文彦 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60264280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間瀬 肇 京都大学, 防災研究所, 教授 (30127138)
由比 政年 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20262553)
田中 健路 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (30315288)
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Keywords | 潮間帯干潟 / 地形変動メカニズム / 沈降速度 / 巻き上げ / ラグランジュ計測 / 現地観測 |
Research Abstract |
浅海域での底質輸送や地形変化予測の数値モデルにおいて、沈降速度や巻き上げ係数などの底質輸送パラメータを推定することは、砂質土のみならず粘性土においても非常に重要である。しかしながら、これらのパラメータを決定する上で重要な浮遊物質の大きさや密度は、潮汐、波浪、河川流入、 Suspended Sediment Concentration(SSC)、塩分、温度、化学的要因などの影響を受け、複雑な環境要因によって支配されている(Voulgaris・Mayer,2004)。これらの複雑な環境を実験室で再現するのは、非常に困難であるため(Sternbergら,1999)、底質輸送パラメータの推定にあたっては、対象とする現地においてこれら環境要因データの取得が不可欠である。 本研究では、潮間帯を含む内湾浅海域でのオイラー・ラグランジュ計測手法の確立に向けた初段階として、LADの改良を試み、現地実験を行い、その基本性能などの検討を行った。観測結果から、改良型LADは、潮汐と伴に移動し、浮遊物質の輸送特性を調べるための濁度・水平流速・流向を計測できることを確認することが出来た。また、実験的ではあるが、取得した濁度の等値線から沈降速度を算出することができた.さらに、その近似式がVan Leussen(1999)が示した指数の範囲(n=0.5〜3.5)にあることが確認できた。しかしながら、本計測機器やデータ解析手法に関しては、まだ改良・検討の余地が残されており、さらなる改良や検証実験を実施し、精度検証を実施する予定である。
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