2007 Fiscal Year Annual Research Report
複断面開水路流れの内部構造の解明と河岸防災手法の検討
Project/Area Number |
19560523
|
Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 勝利 Tokuyama College of Technology, 土木建築工学科, 准教授 (00191750)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐賀 孝徳 徳山工業高等専門学校, 土木建築工学科, 教授 (60124096)
|
Keywords | 複断面開水路流れ / 斜昇流 / 水平渦 / 縦渦構造 / 二次流 / 流れの可視化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,複断面開水路流れに形成された組織構造の特徴を明らかにし,その知見を踏まえて複断面河道における河岸における災害を防ぐ手法を見出すことである.このために,1.複断面開水路流れの組織構造の時空間特性を明らかにする.2.複断面開水路流れの組織構造の流体力学的特性を明らかにする.3.第1,第2の課題の遂行により得られた知見をもとに,低水河岸付近における流れの制御手法を見出す.4.第3の課題より見出された手法を実河川に適用し,低水河岸の防災効果を実証する,という課題を設定した.本年度は,低レイノルズ数における片複断面開水路の流れ場において,課題1,2を検討.し,それぞれ以下のことが明らかとなった. (1)流れ場の流速分布特牲:高水敷上水深と高水敷高さの比が1.0と025の条件で,PTV(Particle Tracking Velocimetry)を用いた,流速計測を行い,平均主流速分布,二次流ベクトル分布,レイノルズ応力分布を明らかにした.高水敷先端付近には斜昇流と旋回状の二次流が形成が明らかとなった. (2)組織構造の時空間特性の検討:高水敷先端部には縦渦構造が形成され,高水敷水深が比較的大きい場合,時間的に安定していることが明らかとなった.また,本構造は低水路側に顕著な傾斜運動をすることが観察され,その傾斜角度特性やスケール特性についても調査した. (3)組織構造と瞬時速度情報との相互関係の検討:2)で見出された縦渦構造は,瞬時の斜昇流,旋回状の二次流を生成していることを明らかにした.この構造の時空間的安定性が,長時間平均量の斜昇流,対を成す二次流分布の形成因であることを見出した.これは,第2種二次流れの形成因を明らかにしたことになり注目される. (4)流れの3次元モデルの構築:(1)〜(3)の知見を総合し,流れの3次元モデルを提案した.
|
Research Products
(1 results)