2008 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸域における懸濁物変動機構解明に向けた海中混合エネルギーの長期連続計測法の研究
Project/Area Number |
19560526
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長尾 正之 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 地質情報研究部門, 主任研究員 (70251626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高杉 由夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, シニアスタッフ (20357354)
橋本 英資 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (20357768)
小林 志保 京都大学, 農学研究科, 助教 (60432340)
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Keywords | 水工水理学 / 海洋工学 / 海洋物理・陸水学 / 環境変動 / 自然現象観測・予測 |
Research Abstract |
本研究では河川から供給される陸起源の懸濁物質輸送量の長期にわたる定量化および変動特性の把握と、海底上の懸濁物質が海中へ回帰する過程の把握、およびこれらに影響する乱流混合強度の長期変動特性の計測方法について検討を行う。 海底から巻き上がる懸濁物などの海中への回帰現象については、超音波流速計を使った流速変動観測ならびに超音波反射強度を用いた長期モニタリングが有効である。そこで、沖縄県八重山諸島竹富島海底温泉の周期が1分程度の間欠泉から海中に噴出される流体の上向き流速変動を、3次元超音波流速計を用いて周期1秒という短時間間隔で計測し、その流速や超音波反射強度の変動特性と潮汐との相関関係について研究を行った。その結果、間欠泉の周期間隔と潮位との間に強い正相関があること、また間欠泉の物理モデルとして垂直管モデルを採用し、実測された噴気間隔・潮位変動とを考慮すると、海底下の地下熱源温度と垂直管に再供給される水の温度の関係が示せることがわかった。このほか、河川から供給される陸起源懸濁物質が流入する水域としてダムを考えた場合には、懸濁物がどのような挙動を流入後に示すかは、濁水の密度とダムの水の密度との関係により支配される。ダムの水の密度は水温によって決定されるので、水温の長期変動特性について調査研究を行い、全国ダムの上層では水温上昇傾向が認められること、下層では人為的水位操作等の影響を水温が強く受けることを明らかにした。瀬戸内海の灘-海峡系において現地観測を行ない、流動構造及び鉛直混合の変動が物質や生物の分布に及ぼす影響を調べた.
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Research Products
(11 results)