2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560541
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岸井 隆幸 Nihon University, 理工学部, 教授 (30246821)
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Keywords | 土地区画整理 / 都市開発 / 国際協力 / 技術移転 / タイ国 |
Research Abstract |
本研究は、わが国の土地区画整理技術がタイ国へ技術移転された過程を実証的に評価分析し、今後とも必要とされている他の国々に対する土地区画整理の技術移転のあり方を理論的に考察するとともに、より一層の普及を図るために土地区画整理技術の国際移転に必要な技術開発の具体的課題を明らかにすることを目的として行った。 研究の到達点は以下の通りである。 (1)タイ国LR法と日本の土地区画整理法の比較研究 タイ国区画整理法の策定のべースになったのは日本の土地区画整理法であるが、このほかにタイ国耕地整理法、ランドサブディビジョン法、民商法、協同組合法などが参考にされたことが明らかとなった。また、結果として日本の制度との大きな違いは、組合を構成する組合員の条件、借地権者の取り扱い、仮換地制度の有無、保留地の位置づけなどであるにあることが判明した。 (2)技術移転が成功した要因の分析 これまでの経過をつぶさに検証した結果、今回の技術移転が成功した要因は、タイ国DTCPの強力なリーダーシップ、タイ国側の強い主体性、持続的な努力とともに日本政府の継続的な支援(技術協力、セミナーの開催、日本視察など)が大きな役割を果たしたと考えられる。 (3)今後のLR技術移転で検討が必要な課題の抽出 今後の技術移転では、協力を受ける側の主体性、長期にわたる努力、有能な専門家の派遣、一致協力して取り組む姿勢が非常に重要であると判断される。 (4)LRを定着させる新たな技術開発支援の検討 今後もアドヴァイザーを継続的に派遣して下支えするとともに、タイを中心とした新たな国際協力の道を志向して、より汎用性のある手法へと改善してゆくことが求められる。
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Research Products
(2 results)