2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境勘定統合型地域間SAMの構築と応用一般均衡モデルによる政策分析
Project/Area Number |
19560543
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
石川 良文 Nanzan University, 総合政策学部, 准教授 (20329577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 淳司 鳥取大学, 工学部, 准教授 (60262747)
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Keywords | 社会会計表 / 産業連関表 / 応用一般均衡モデル / 政策分析 / 廃棄物政策 / 環境経済統合勘定 |
Research Abstract |
本研究は、特定地域を対象とした詳細な環境勘定統合型地域社会会計表(環境SAM)の作成手法を検討し、実際に試作表を作り、それに基づく各種地域政策の応用一般均衡モデルを開発することを目的とした。初年度(平成19年度)は、単一地域を対象とした地域環境SAMの作成手法を検討するため、先行研究のレビュー、マトリクスバランス手法を検討したが、平成20年度では、まず具体的な試作表として、愛知県を対象とした環境勘定統合型の社会会計表を作成した。作成した環境SAMは、オランダのNAMEAを参考に、環境項目の評価単位は物量単位とするハイブリッド型の環境SAMであり、環境項目としては、地球温暖化、酸性化、汚染排水、富栄養化、廃棄物を取り上げた。愛知県を対象とした試作表の特徴は、これらの環境負荷が詳細な産業部門部門別で把握可能な点であり、産業連関表の情報を最大限に取り入れた環境SAMが提示できた。 地域政策の応用一般均衡モデルについては、環境問題のうち廃棄物問題を取り上げた。具体的には、自治体によるごみ袋有料化制度を実施した場合の実証分析を行うため、モデル構築と共にキャリブレーション手法の検討を行った。これにより、近年導入された経済メカニズムを用いた廃棄物政策が各経済指標にどのような影響を与えるのかが明確になった。特に、家計生産関数の概念を用いて家計の行動をモデル化することで、家計がごみの減量を実現するために、どのような手段を取り得ることが可能かを定量的に把握することができた。
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