2007 Fiscal Year Annual Research Report
不完全自由化環境下の国際航空市場における政策分析手法に関する研究
Project/Area Number |
19560545
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
石倉 智樹 National Institute for Land and Infrastructure Management, 空港研究部, 主任研究官 (30356050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 幹雄 神戸大学, 工学部, 准教授 (80236497)
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Keywords | ネットワーク均衡 / 国際航空輸送 / 政策効果分析 |
Research Abstract |
アジアでは、一部で航空自由化へ向けた動きがあるものの、基本的には現在も国際航空市場は規制的環境下にあり、国際路線設定は原則として二国間交渉により決定される.また、アジア地域の国際航空需要は欧米に比べて早いスピードで成長しており、多くの空港で容量制約問題が顕在化しつつある.このように、ネットワークにおける路線設定が不自由かつ空港の容量限界が制約条件となるような環境下における政策評価・分析は新たな社会的要請となっているが、本研究が開発する手法により、こうした課題を分析することが可能となる. 本研究で用いる分析手法は、研究分担者である竹林が既構築のモデル(Takebayashi and Kanafani(2005))を基礎とするが、本研究が対象とする航空市場へ適用するためには、理論的枠組みの改良が必要である.既構築のモデルは、航空市場の寡占的性質は反映しているものの、不完全自由化された国際航空市場の特色である、エアラインの国籍条項や空港毎の路線設定制約が考慮されていない.そこで当該年度は、空港容量制約と路線設定制約を考慮した航空市場分析手法へと拡張すべくモデル枠組みの改良を行った. 本研究のモデルは、航空旅客の行動を確率的利用者均衡配分(SUE)型モデル(需要サブモデル)として表し、エアラインの行動を寡占市場下における利潤最大化問題(供給サブモデル)として表現したものである.当該モデルを現実の航空輸送市場へ適用するためには、両サブモデルの同定が必要であるため、当該年度は、関数形を特定し定式化を行い、実績データを基に関数のパラメータを推定した.
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Research Products
(1 results)