2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱環境とエネルギー需要の連成解析に基づくアジア低緯度都市の省エネポテンシャル評価
Project/Area Number |
19560550
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
亀卦川 幸浩 Meisei University, 理工学部, 准教授 (20409519)
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Keywords | アジア低緯度都市 / 気候変動 / 都市熱環境 / ヒートアイランド / マルチスケールモデリング / 省エネルギー / 国際研究者交流 / デリー |
Research Abstract |
本研究は、都市の気候・熱環境と空調エネルギー需要の連成予測数値モデルを駆使し、アジア低緯度都市域での気候・熱環境変化に連関する省エネポテンシャルの定量化を目指したものである。インド国デリーを対象域とし、平成20年度は以下の研究を実施した。 1.気象・熱環境の現地観測 乾燥・高温期にあたる5月、デリーの市街地、緑地、川辺域等に計30地点の観測網を独自に展開し、4日間に渡り1分間隔で地上気象要素を連続計測した。その結果、中心市街域の都市キャノピー内では、周平の住宅街や緑地に比し、最大8℃の大幅な地上気温の上昇が認められた。また、このヒートアイランド強度は、先行研究で指摘されてきた深夜の最低気温の時間帯よりも、むしろ昼間に増大する傾向などが見出された。この観測を通じ、1980年代以降、実測がなされて来ていないデリーのヒートアイランド現象について、最新の動態解明に向けた基礎資料を得た。 2.デリー都市圏におけるエネルギー需要分析 インド工科大学よりデリーのエネルギー需要に関わる各種統計資料の提供を受け、空調需要エネルギーの気象条件への応答感度分析における同資料の適用性を検討した。並行し、地上気温と比湿を説明変数とした重回帰分析に基づく冷房電力需要の気象感応度分析手法を東京での実測資料に適用し、休日から平日への排熱増→気温上昇→更なる電力需要増、の熱環境フィードバックによる電力消費の押し上げ効果を解析した。その結果、同効果は東京の都心オフィス街区にて+2〜2.5%と推定され、デリーへの適用に先立ち、空調需要エネルギーの気象感応度分析手法としての有用性を確認できた。 3.デリーへの連成モデル適用のための入力条件データの整備 昨年度研究で収集・整理したデリーの都市構造に関する基礎データに基づき、デリーの土地利用、街区形状、建築構造等に関わるモデルへの入力パラメータ値をモデルの水平格子毎に同定した。
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Research Products
(5 results)