2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560555
|
Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
矢口 淳一 Hachinohe National College of Technology, 建設環境工学科, 教授 (80342450)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 仲一郎 独立行政法人国立高等専門学校機構八戸工業高等専門学校, 建設環境工学科, 助手 (70099761)
福士 謙介 東京大学, サスティナビリティ学連携研究機構, 准教授 (30282114)
|
Keywords | リアルタイムPCR / DNA / 塩素消毒 / 不活性化速度定数 / 生理的活性 |
Research Abstract |
大腸菌に特異的な塩基配列を用いてリアルタイムPCRを行うことで、大腸菌の細菌数を平板培養法よりも迅速に定量できることが実証できた。大腸菌のβグルクロニダーゼ酵素をコードするuidA遺伝子を用いたリアルタイムPCR実験では、定量範囲は1×10^1〜1×10^6cfu/tubeであり、1×10^0cfu/tubeが検出限界であった。活性の有無を区別できるPMA(propidium monoazide)試薬はハロゲン光(300W)の光照射10分間でDNAを不活化でき、PMA試薬自身も光照射10分間で不活化されることが分かった。また、PMA試薬は熱処理した死菌のみを染色でき、生菌は染色しないことが蛍光顕微鏡による観察結果から明らかになった。しかしPMA試薬とリアルタイムPCRを組み合わせた実験では、生菌と死菌を区別して定量できず、VNC状態の大腸菌を選択的に検出定量するまで至らなかった。活性のあるVNC状態の大腸菌のみを検出するには、PMA試薬の適用条件をさらに検討する必要がある。 さらにVNC状態の細菌に対する塩素消毒効果を検討する為、水道原水として使用される河川水を用いて塩素消毒実験を行った。菌数の減少率とCT値(残留塩素濃度×処理時間)の関係から不活性化速度定数kを算出したところ、k値は0.7〜0.9(L/mg/min)の範囲で、R2A培地による培養法の1/2〜2/3程度であった。河川水中のVNC状態の細菌は、大腸菌の場合と同様に培養可能な細菌より塩素消毒に対する抵抗性が強いことが明らかとなった。
|
Research Products
(2 results)