2007 Fiscal Year Annual Research Report
住宅基礎の地盤を対象とした経済的で新しい液状化対策の開発
Project/Area Number |
19560559
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三辻 和弥 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (90292250)
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Keywords | 建築・構造材料 / 地盤工学 / 防災 / 減災 / 耐震 |
Research Abstract |
不飽和砂の液状化強度は飽和砂よりも高くなることが知られている。この不飽和砂の液状化特性を利用して,飽和地盤中に気泡を注入して地盤を不飽和化する新しい地盤改良工法(気泡注入工法)を開発するために,まず1次元有効応力解析による検討を行った。日本の沖積平野に見られる典型的な液状化地盤モデルを作成し,液状化層を不飽和砂層で置き換えた場合の地震応答解析を行った。地表面での最大加速度,最大変位は気泡注入工法の場合,約2割低減できた。また,地中の最大せん断ひずみは大きく低減され,気泡注入工法による液状化抑止と地震応答の低減効果を確認した。併せて応答変位法を用いて杭の地震時水平応力の検討を行い,地中での曲げモーメント,せん断力などの杭応力も低減できることを確認した。また,締固め工法など既存の地盤改良工法を想定した地盤モデルを作成して地震応答解析を行い,不飽和砂による地盤改良工法の結果と比較した。締固め工法を想定した地盤モデルではN値が5から15に改善されると想定し,気泡注入工法では飽和度約90%,液状化強度にして飽和砂の約2倍になると想定した地盤モデルとの比較を行った。結果より,両者でほぼ同程度の液状化抑止,地震応答低減効果が得られており,施工の経済性や環境負荷の低さを考慮すると本研究で提案する気泡注入工法が有効な地盤改良工法となりうることを示した。数値解析による検討は2次元有効応力解析による地震応答シミュレーションを引き続き行う予定であり,2次元解析モデルの作成・検討・修正を行った。また,気泡注入工法の有効性を実験的に検証するため,土槽を用いた実験を開始した。今年度は試験体の作成方法,気泡の注入方法,静的・動的載荷方法,計測方法について検討した。
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Research Products
(3 results)