2008 Fiscal Year Annual Research Report
住宅基礎の地盤を対象とした経済的で新しい液状化対策の開発
Project/Area Number |
19560559
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三辻 和弥 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (90292250)
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Keywords | 建築・構造材料 / 地盤工学 / 防災 / 減災 / 耐震 |
Research Abstract |
昨年度行った、飽和地盤中に気泡を注入して地盤を不飽和化する新しい地盤改良工法(気泡注入工法)を開発するための1次元有効応力解析による検討を進め、締固め工法など従来の地盤改良工法を想定した場合の地盤モデルと不飽和化によって液状化強度を上昇させた地盤モデルとで地震応応答解析を行い、結果について比較・検討した。解析の基本になる地盤モデルとして、表層のせん断波速度100〜200m/s程度の液状化地盤を作成し、不飽和化した地盤についてはせん断剛性はそのままに、液状化強度のみを上昇させ、締固め工法ではせん断剛性、液状化強度ともに上昇させたモデルとした。 1次元有効応力解析の結果、液状化抑止効果としては不飽和地盤、締固め地盤ともに有効であり、液状化未対策に比べて地盤の変形量を大きく抑えることが出来た。変形抑止の程度としては締固め地盤が最も変形を抑制し、次いで不飽和化地盤となった。これは締固め地盤では液状化強度、剛性ともに高くなっているためで、不飽和化地盤では剛性は液状化未対策地盤と同様低いままで、液状化強度の上昇による液状化抑止効果のみで変形を抑えているためである。一方、加速度に関しては不飽和化地盤、締固め地盤ともに未対策地盤のものよりは大きくなっている。これは液状化を抑止したためと締固め地盤については初期剛性が高いためであると考えられるが、地震動の入力位置である工学的基盤での最大値とほぼ同じであることから問題はないと考えられる。以上の結果より、不飽和化地盤の液状化抑止効果は地震応答の面からも有効であると考えられる。今回の検討は主に地盤の液状化強度からの観点であり、不飽和化地盤の「ねばり」について、解析・実験の両面から検討する予定である。
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Research Products
(2 results)