2008 Fiscal Year Annual Research Report
超高強度コンクリートの平滑なひび割れ面が柱部材の復元力特性に及ぼす影響
Project/Area Number |
19560564
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠原 保二 Tokyo Institute of Technology, 応用セラミックス研究所, 准教授 (50196408)
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Keywords | 超高強度コンクリート / ひび割れ面性状 / せん断伝達特性 / 復元力特性 / 軸力 / せん断補強筋量 / 有限要素解析 / 離散ひび割れモデル |
Research Abstract |
1. 軸力を導入した超高強度コンクリート柱部材のデータ整理 昨年度行った軸力を導入した曲げせん断実験結果を整理し,超高強度コンクリート柱のせん断ひび割れ面の挙動について考察した。復元力特性の正負非対称化は,正載荷で開いたせん断ひび割れが負載荷で閉じる際,すべり変位を生じ,柱部材としての一体性が損なわれることに起因していることを明らかにした。このため,正負の耐力差は,ひび割れ面が平滑なほど,横補強筋による拘束が少ないほど,軸力が高いほど大きくなる。 2. 軸力を導入した超高強度コンクリート柱部材の追加曲げせん断実験 昨年度行った実験では,ひび割れ面形状の影響を検討することを第一の目的としたため,軸力比とせん断補強筋比が各2レベルとパラメータが少なく,復元力特性に及ぼす軸力とせん断補強筋量の影響について十分に検討できなかった。そこで軸力比を3レベル,せん断補強筋比を5レベルで検討できるように超高強度コンクリート柱試験体を6体追加し,曲げせん断実験を行い,軸力およびせん断補強筋が超高強度コンクリート柱部材のせん断挙動に及ぼす影響を検討した。 3. コンクリート強度によるひび割れ面形状の相違を考慮した有限要素解析 軸力を導入した超高強度コンクリート柱部材の曲げせん断試験体に対し,有限要素解析を行い,ひび割れ面の形状の違いが,そのせん断伝達能力に与える影響を検討した。このため,ひび割れ面には離散ひび割れモデルを採用し,正負のひび割れ界面には各々李・前川モデルおよびコンクリート強度の相違によるひび割れ面性状を考慮した摩擦係数を有するMohr-Coulomb摩擦モデルを使用した。実験におけるせん断ひび割れ挙動を再現するとともに,ひび割れ面のせん断伝達メカニズムの相違について考察した。
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Research Products
(5 results)