2008 Fiscal Year Annual Research Report
Wavelet変換を用いたリアルタイム残余耐震性能判定装置の開発
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19560566
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
楠 浩一 Yokohama National University, 大学院・工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00292748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田才 晃 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40155057)
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Keywords | 応急危険度判定 / 地震被害 / 強震観測 / 性能曲線 / ネットワーク地震計 / 立体振動 |
Research Abstract |
平成20年度は、まず平成19年度に立案した実験計画を元に、2質点でかつ、2次モードも比較的卓越する試験体の製作を行い、振動台実験を行った。実験では、まず加速度計により計測した加速度と、それを2階積分して求めた性能曲線を作製し、平成19年度に定式化したWavelet変換により各モードに分解した。一方、実験では直接各層の応答変位も計測できるため、計測した変位を用いて性能曲線を別途作成し、それを2階積分により作成した性能曲線と比較することにより、積分誤差の影響を検討した。また、試験体は鋼板を用いた板ばねによる、単純なモデルとし、試験体数は全部で6体である。材料に鋼板を用いたため、材料特性が安定しており、特に弾性範囲では試験体の挙動は数値解析により比較的精度よく追跡できる。まずは弾性応答において、その数値解析から求めた性能曲線と、Wavelet変換によって分解した各モードの性能曲線を比較することにより、Wavelet変換によるモード分解の精度が充分高いことを確認した。更に試験体の塑性化後の応答から、Wavelet変換を用いる前は、高次モードの影響で、性能曲線から優位な情報を得ることが困難であることが分かった。さらに、Wavelet変換を適用することにより、非線形領域においても安定した応答を得ることが出来ることを確認した。さらに、応答結果の評価に重要な等価質量比に関しても、1次モードに対しては、計測結果から求めた等価質量比は解析結果とほぼ一致した。しかし、2次モードに関しては、ばらつきが大きい結果となった。
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