2009 Fiscal Year Annual Research Report
Wavelet変換を用いたリアルタイム残余耐震性能判定装置の開発
Project/Area Number |
19560566
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
楠 浩一 Yokohama National University, 工学研究院, 准教授 (00292748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田才 晃 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (40155057)
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Keywords | 応急危険度判定 / 地震被害 / 強震観測 / 性能曲線 / ネットワーク地震計 / 立体振動 |
Research Abstract |
平成20年度7月より,建築学棟は耐震補強工事が実施された。しかし,その前半年間の計測から,10波の比較的大きな地震時の応答記録が観測されている。本年度も10波程度の応答が観測された。Wavelet分解による精度を検討すると共に,補強効果や建物の劣化を検討するため,耐震補強前後の記録に対して,提案する手法に併せて,弾性応答に対する既往の減衰・周期推定手法を適用して,建物の周期および減衰定数の変遷の検討を行った。その結果,Wavelet変換の精度は充分使用に耐えること,建物の周期は耐震補強に併せて,耐震壁を増設した方向では周期が短くなり,逆に雑壁を撤去した方向では周期が長くなっていることを確認した。さらに,観測結果をリアルタイムでインターネットで公開するシステムを構築し運用を開始した。また,建物の耐震性能を判定するためには,建物基部でのロッキング応答を取り除く必要があることが分かった。 さらに,本年度利用可能となるIT変換部分とセンサー部分分離型IT計測器を用いて,加速度センサーの代わりに熱電対およびひずみゲージを接続し,建物全体の環境状況を含めた常時モニタリングシステムの試用を開始した。また,建物周辺の自由地盤を掘削し,1m程下に3方向加速度計を埋設し,建物基部と建物周辺地盤の地震動の比較を開始した。これにより,建物への実効入力を検討することが出来る。これまでに既に5波程度の地震動を観測することが出来た。
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