2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560568
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小林 克巳 University of Fukui, 工学研究科, 教授 (40150297)
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Keywords | 耐震補強 / 地震被害 / 脆弱建物 / インフィルブロック壁 / 穴あきブロック / 連続繊維補強材 / 途上国支授 / 国際貢献 |
Research Abstract |
穴あきブロックで構築した壁体の挙動については情報も少なく、まず穴あきブロック壁体の力学的挙動を把握した。途上国における無補強レンガ造を対象とした実験を参考にして、柱・梁フレームを除いて穴あきブロック壁板要素を製作した。連続繊維ストランド束を壁板に縫い付けるように取り付けていく方法で補強して対角線上に圧縮し、ブロックの水平方向と鉛直方向に作用する力が同じになる実験を行った。水平目地モルタルの膠着力が発揮されているうちは補強繊維による補強効果は表れない。膠着力がなくなると水平目地モルタルの摩擦力が一定となり、補強繊維の剛性に応じた耐力増加が表れる。水平目地モルタルの摩擦力が失われ始めると耐力が減少するが、完全に摩擦力がなくなると補強繊維の引張力で耐力が維持されるようになる。補強繊維量が多くなると、目地モルタルの膠着力がなくなった後の補強繊維の剛性応じた耐力増加で、ブロックが鉛直方向に圧縮破壊して急激に耐力を失うことが分かった。ブロックの鉛直方向の圧縮破壊を起こさせず、水平目地の強度を維持して変形できる適切な補強量があるはずで、今後各種繊維を用いた実験試料を増やし、安価で効率的な補強量を算定するための解析モデルを開発する。 穴あきブロック壁を有するフレームおよびそれを補強したフレームの実験結果は、上述のようなブロック壁体の挙動からほぼ完全に説明することができ、ブロック壁板要素のマクロモデルを作成して、穴あきブロック壁を有するフレームの解析的検討を行った。炭素繊維シートをブレース状に取り付ける耐震補強実験結果も、穴あきブロックで構築した壁体と炭素繊維シートブレースが、それぞれどのような役割をしているのかをほぼ推定することができた。
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